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zoom RSS 『渇き。』:今日も元気にカルト映画館〜第150回

<<   作成日時 : 2014/07/04 08:43   >>

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記念すべき150回は中島哲也監督の新作映画より。




画像

<2014.7.1 TOHOシネマズ日本橋 にて鑑賞。>
あらすじなどはシネマトゥデイより
チェック:第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生の小説「果てしなき渇き」を、『告白』などの中島哲也が実写化したサスペンスミステリー。謎の失踪(しっそう)を遂げた娘の行方を追う元刑事の父親が、いつしか思いも寄らなかった事態に引きずり込まれていく姿を活写する。名優・役所広司を筆頭に、『悪人』などの妻夫木聡、『ゆれる』などのオダギリジョーら、実力派が大挙して出演。中島監督ならではの鮮烈なタッチに加え、ヒロインに抜てきされた新人・小松菜奈の存在感にも注目。

ストーリー:品行方正だった娘・加奈子(小松菜奈)が部屋に何もかもを残したまま姿を消したと元妻から聞かされ、その行方を追い掛けることにした元刑事で父親の藤島昭和(役所広司)。自身の性格や言動で家族をバラバラにした彼は、そうした過去には目もくれずに自分が思い描く家族像を取り戻そうと躍起になって娘の足取りを調べていく。交友関係や行動を丹念にたどるに従って浮き上がる、加奈子の知られざる素顔に驚きを覚える藤島。やがて、ある手掛かりをつかむが、それと同時に思わぬ事件に直面することになる。


新作映画をカルト期待値のある映画として紹介する手抜きっぷりを今年は極力控え目にしよう!!!
・・・と、思ったのですがこの作品はやっぱり是非ともこのコーナーで紹介したいなと。
たぶん、今でこそ「普通に新作映画紹介してるだけじゃねえかよ!」と思われるかもしれませんが、後にヤリスギなキワモノ作品として認知されてくるんじゃないかという見込みでの紹介で。

主演は役所広司。最初から統合失調症全開のキャラで別居中の嫁から「娘がいなくなった」と相談を受け、家に行った時からもうおかしい。嫁には暴言吐きまくりで物にはそのまま破壊するかのように扱う。
娘の部屋に入ってほしいと嫁に言われ、そこで見つけた覚せい剤の機器。
ただならぬものを察した藤島(役所広司)は元刑事のプライドもあるのか、警察には極力頼らず(たまに妻夫木演じる後輩に電話で情報聞き出したりはするが)独自に娘、加奈子を探しに出るというイントロ。

やはり中島哲也監督なだけあって素直に面白かったです。

まず、役所広司演じる主役からして面白い!映画というものは世の中に数あれど脇役・敵役ではなく主人公でここまで最初から最後まで屑な人間というものを私はあまり知らない(苦笑)

目的を達成するまでは躊躇することを知らない。
警察を装って(警察手帳みたいなものを見せて聞き込みしていたけど、手帳はどこから入手?返却しなかっただけ?)聞き込みをし、危険なところまでぶっきらぼうに足を踏み入れる。
そして、返り討ちにあったりもするんですけどね・・・。

藤島は娘の失踪を追う度に思っていた娘とはイメージがかけ離れた屑であることを知っていくのだけれど、不思議と狼狽する様子などはない。まあ、最初にお薬や注射器を部屋で見つけたのでそこでスタート地点のイメージが定まったこともあるのかもしれませんが。そのくせたまに父親面して「娘に薬を売りつけやがって!」とアリバイのように激昂するのでこの藤島という人物は面白い。
まあそれでこそ糖質(※統合失調症のネットスラングです)なのかもしれませんけどね。

映画は藤島の娘追跡劇と加奈子の生活していた学校での時間が交互に描かれます。(日時が表示されるのでわかりやすいはず)
そうしていくうちに、屑な女であるけれどもみんなが「加奈子」という人物にカリスマ性を感じるようになっていくのもわかる気がする。

ただ、加奈子だけが魅力があるわけでもない。先ほど書いたように糖質の藤島。チュッパチャップスをいつも舐めながら笑顔でふざけたように藤島に情報提供したかと思えば追い詰めもする浅井(妻夫木聡)、ある方面でキレッキレの活動をしている愛川(オダギリジョー)、友達を加奈子に破滅に追い込まれ藤島に悪態をつく女子高生(橋本愛)、加奈子に魅力を感じてたクソビッチには二階堂ふみなどにはキャラだけでも語れる個性があり、そうそう、個人的にはこのキャスティングには驚いた。映画の鍵になるDQNボス的存在である松永役はファブリーズCMや仮面ライダー鎧武のミッチー役で可愛い青年を演じてるというそのギャップ。。。などなどキャストに至っても魅力満載。

そういえばこの映画の予告で「劇薬エンターテイメント」と称していた。
なるほど、中島監督らしくポップでカラフルでクラブでトリップしてるシーンを描くところもあり、殴る、蹴る、撃つ、斬る、血が出る・・・と韓国映画ばりのバイオレンスアクションを見せつけてくれる。
確かにエンターテイメント作品だ。

そんな作品ではあるが、ある程度の評判を聞くと正直、『嫌われ松子』、『告白』などは絶賛されていてもこの映画に対する評価というものはあまりよろしくなかった。

公開の規模も大手シネコンではほぼ全部の劇場では公開しているし、高校生は本日7月8日までは\1,000で鑑賞できるなんていうキャンペーンもしているので鑑賞した人も多いだろう。

そして、多くの人が見れば見るほど楽しむ人もいれば、嫌悪感を示す人もいる。
今回に関しては嫌悪感の声の方が多く聞こえる。

でも、私は結構好きです。別にバイオレンスな作品だからそれだけで評価してるというわけではないです。
こんなクソみたいな主人公で映画の内容も友達に口頭で語るのも憚られるような内容ではありますが、一貫してるテーマがこの映画の全体像とは真逆の方向を向いているからこそ好きなんでしょうかね。私の場合。

そのテーマを裏付けるものとしては冒頭から最後まで、随所に藤島の妄想で幸せだった嫁・娘と過ごした頃の笑顔の絶えない家族の風景が浮かぶところがある。
藤島はなんだかんだで「家族」「平穏」を求めていたのかなというのは最後だけではなく最初から薄々と感じられるところではある。
ただ、その表現方法が下手で素直ではなく・・・いや、ある意味素直なんだが(苦笑)どうも「許容する」ということを知らないために暴走を重ねていき自分も追い込んでしまう。

家族を求める悲哀漂う主人公のはずなのに、その同情を一切寄せ付けない演出っていうものは素晴らしいの一言に尽きます。そして、映画に出てくる登場人物の誰一人としてもそれは当てはめられることができて、「可哀想」なんて言葉をかけられる人は1人も・・・ああ、しいていえばラストシーンにまで関わるあの人物だけはちょっと可哀想かもしれませんが、ほとんど情け無用の屑ばかりなのです。

だからこそ面白い。
どうして、加奈子が薬などを始めたりその手のDQNとつるむ様になったのかはある人物の自殺が切っ掛けになってるところもあると想像できるところはあるが・・・いや、ラストの方で中村俊輔に似てる男の子とのシーンを想うとそうではないのかもしれない・・・、やっぱりが正解なのかはわからない(苦笑)
そして、藤島がどうしてあんなにいつも怒鳴りまくってる糖質な人間になったのかははっきりとはわからない。
なんで、嫁が浮気をして藤島のお怒りを買ったまで気持ちが離れて行ったのかはなんとなく想像できるけど、具体的にはわからない。

もしかしたら、丁寧にそのあたりも説明してしまえば同情できるところもあったのかもれない。
人にはそれぞれ生きていればそれに応じた「理由」ってもんを持ってますからね。でも、「なんとなく」しか見せないところで余計な感情が入り込む余地をシャットアウトしている。

だから面白い。
屑は屑のまま息絶える。
エンターテイメントだから無駄なことなど考えなくていい。そう思うと、バイオレンスに満ちた小汚いこのクソ映画には爽快感すら感じる(笑)


ただ、1つだけ残念なところがある。
ラストの方の展開だ。
もちろん、ラストシーンに係わる人物は劇中にも出てくるが、伏線は無かったように思う。(私が見落としてただけならすみません)
だからこそ、加奈子があんなことをして、それでもってあの人に逆恨み買うようなことになり・・・という展開が唐突すぎるのだ。
原作がそうなってるのかどうか知りませんが、オチをつけるためだけの展開に見えてそこだけは冷めてしまいましたかね。本当に最後の最後です。あれは残念。

あと、終盤に登場するオダギリジョーの演じる役についても唐突なんですが、もうちょっとそれまでに伏線張っておいてもよかったかもしれませんね。
まあ、オダギリジョーの出てくるところは楽しかったのでいいんですけど(笑)
(※ただし、ある流れの後で”立ち上がる”ところだけは解せなかったかな。伏せて瀕死の状態での妻夫木でもよかったようにも思いますしね)


と、残念なところはあるにせよここまで「好き」「嫌い」がハッキリと別れるような映画というのは珍しい。
だからこその「カルト映画候補」扱いにすべきだと思ってこのコーナーでの紹介になりました。

皆さんも、一度自分の目でその「好き」「嫌い」を確かめてみてはいかがでしょうか?




・評価:★★★★★★★★★★
     ★★★★★★★★☆☆ (18)
・公式サイト


・暴力殴打度:★★★★★
・理解不能度:★☆☆☆☆   
・キ●ガイ度 :★★★★★  
・グロゴア度 :★★★☆☆
・下品汚物度:★★★☆☆  
・おバカ様度 :★☆☆☆☆ 
・御エロ様度 :★☆☆☆☆



【本作】




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