起点は妙典(仮)

アクセスカウンタ

zoom RSS 『悪童日記』を観てきました。

<<   作成日時 : 2014/10/15 09:01   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

ヘビーな内容ながら本年ベスト候補な衝撃作




画像

<2014.10.7 TOHOシネマズシャンテ にて鑑賞。>
あらすじなどはシネマトゥデイより
チェック:ハンガリー出身のアゴタ・クリストフの小説を映画化し、第2次世界大戦下の過酷な時代を生き抜いた双子の日記を通して世界を見つめた衝撃作。両親と離れて見知らぬ村に預けられた少年たちが、日々激化する戦いの中で自分たちのルールに従い厳しい状況に追い込んでいく姿を描き出す。双子の新星アンドラーシュ&ラースロー・ギーマーントが圧倒的な存在感を発揮。大人たちの世界を冷徹に見据える兄弟の選択が心をかき乱す。

ストーリー:第2次世界大戦末期の1944年、双子の兄弟(アンドラーシュ・ギーマーント、ラースロー・ギーマーント)は、都会から田舎に疎開する。祖母(ピロシュカ・モルナール)は20年ぶりに戻った娘(ギョングベール・ボグナル)との再会にも不満顔。双子たちだけが農場に残され、村人たちに魔女とうわさされる祖母のもとで水くみやまき割りなどの仕事をこなしていく。



本当は『ジャージー・ボーイズ』の後に『ミリオンダラー・アーム』、『LOVE SESSION』の鑑賞があったのですが、今回はこのエントリーが記念すべき映画カテゴリーでの「1500」エントリーということと、今年のベスト1候補映画ということもり、他の鑑賞済作品より先駆けて感想文を書かせていただきます。

二次世界大戦で、ドイツ指揮下となったハンガリーにいる家族の話。
いよいよ、戦争も混乱を極め子供の安全を考え、イケメン双子の兄弟を国境沿いの農園で暮らす婆ちゃんの元に疎開させることに。

「ここで待ってなさい」と婆ちゃん家に連れてきた母ちゃんの様子がなんかおかしい。婆ちゃんと母ちゃんの会話を見ると20年くらい会ってない母娘だったらしく、婆ちゃんは娘である双子の母を「メス犬」と罵り、双子を「メス犬の子供」と呼び、けして孫とは呼ばない。

最初は家の中に入れず、もちろん食事も与えない。
でも、預かったからにはとタダ飯は食わせないと労働を課してそして食事も与えるようになっていく。
(たぶんスープ系の料理しかでてきてなかったような・・・)

何かあるとすぐ婆ちゃんには殴られ、双子も二人がかりで婆ちゃんに反撃すれば体力的にも圧倒できるだろうけど、ほとんど反抗しない。(1度揉み合いになったところがあったかな)

その心境はどのようなものがあったのか。憎たらしい婆ちゃんであっても食事を作ってくれるのは婆ちゃんしかいないからなのか。それとも父や母と離れて確実にそこに居る親族が婆ちゃんだけだったからだろうか。
そして、12歳くらいの無力な幼い双子はそんな過酷な環境をどのように生きる術を取ったのかというと「鍛える」ことを行った。

何を鍛えるのかというと「肉体」や「精神」を鍛え始めた。
双子は互いに殴り合い婆ちゃんからの、また他の大人たちからの攻撃があっても耐えられるだけの耐性を身に着けようとしてる。耐性を身に着け強くなろうと。残虐性に対する耐性まで身につけるべく、動物を平気で殺せる感覚まで身に着けていくことへの何とも言えない切なさが音楽もなく綴られる本編に深くのしかかってきます。

普通はこの年くらいの子供なら辛いことがあれば泣き喚くことでしょう。
でも彼らは泣き喚かない。泣き喚きたいところは多々場面あるのですが、彼らは泣かないんです。
どのような状況に自分たちが立場を置いているか理解している。
そして、強くなろうとより一層心がけるわけです。

婆ちゃんの離れの家に週末に宿泊に来るドイツ軍将校たち。
隣の家の盗人娘。
婆ちゃんの家にジャガイモを買いに来た教会の使いのお姉さん。
司祭、死ぬ間際の脱走兵。
そして、実の母親。父親。

色々な人たちに出会って、そして心の拠り所を見つけたと思ったら裏切られたりし、その度に心の強度が増していく。

特にジャガイモ買いに来たお姉さんの家に連れていかれて、お風呂に入らなきゃダメと半ば強引に美少年双子と混浴するところがあります。
笑顔でお風呂でじゃれ合い、もしかしたらそこで一瞬でも温もりを感じたのかもしれないが彼らの安らぎは直後にドイツ軍がユダヤ人を連行するシーンを観て一変する。
ぞろぞろと連れていかれるユダヤ人の行列を窓から見下ろし、嘲笑して「靴屋を忘れてるぞ!w」と叫ぶ。
その靴屋というのは双子が靴を買いに行き、手持ちの金がなかったので困っていたらタダで2足分譲ってくれた心優しいお爺ちゃんだったんですね。

この時のショックは計り知れないものがある。
そして、この直後に彼らはある行動を取るのです・・・。


戦争が背景にある時代で逞しく育つ兄弟。
そして、その成長過程で遭遇する現実に子供が耐えながら生きていく様子は、私が2006年ベスト1に選んだエルサルバドルの内戦を子供の視点で描いた『イノセント・ボイス〜12歳の戦場〜』にも似てるところもあるのかもしれない。

もしかしたら私が知らないだけで他にも子供の視点で戦争を描いた作品はあるかもしれない。
が、恐らくあらゆることに備えて鍛錬を繰り返す映画というのは本作くらいしかないんじゃないかと思う。
映画の冒頭通りに温かい家庭で暮らしていればきっとこんな風に染まることなく生きていけたかと考えると、淡々と逞しく生きようとしてるところに恐怖すら感じてくる。喜ぶという感情すら欠損してしまった子供たちには憐れみを通り越してしまうものを感じてしまうのだ。

そして、彼らはラストにある選択をするのですが、そこでも淡々としているのです。

何が彼らをそうさせてしまったのか。
温もりのある家庭を描いた演出からラストまで描かれるので、戦争によって流されていく兄弟の悲劇は手に取るように伝わるものがあるでしょう。

観終わったあともちろん、客の誰もが無言でした。
恐らくこの衝撃を自分の中でどう消化しようとしてるのか、落ち着きどころをさがしているのでしょう。
もちろん、私もそうでした。


娯楽作ではありません。でも、1人でも多くの人に鑑賞してほしい一作であります。
是非、劇場で。




・評価:★★★★★★★★★★
     ★★★★★★★★★★ (20)
・公式サイト

【関連作品】

















「『雨で濡れた私を見て興奮しないでよ』と言って平然と透けた服を拭いていた姉が・・・僕が風呂に入っていると間違えたフリして入ってきた」VOL.1 [DVD]「『雨で濡れた私を見て興奮しないでよ』と言って平然と透けた服を拭いていた姉が・・・僕が風呂に入っていると間違えたフリして入ってきた」VOL.1 [DVD]

ソフト・オン・デマンド 2014-01-09
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『悪童日記』を観てきました。 起点は妙典(仮)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる