『告白』を観てきました。

告白大会




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<2010.6.7 ワーナーマイカル市川妙典 にて鑑賞。>
あらすじなどはワーナーマイカルHPより
【ストーリー】
とある中学校の1年B組、終業式後の雑然としたホームルームで、教壇に立つ担任の森口悠子(松たか子)が静かに語り出す。「わたしの娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、娘は事故で死んだのではなくこのクラスの生徒に殺されたのです」教室内は一瞬にして静まりかえり、この衝撃的な告白から物語は始まっていく……。

2009年本屋大賞に輝いた湊かなえの同名ベストセラー小説を原作に、教え子にまな娘を殺された中学校教師の復讐(ふくしゅう)を描くミステリー。『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督がメガホンを取り、事件にかかわった関係者たちの告白によって真相が明らかになっていく緊張感あふれるドラマを作り上げた。『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』の松たか子がヒロインの狂気を体現するほか、『キラー・ヴァージンロード』の木村佳乃、『重力ピエロ』の岡田将生らが共演する。


これは凄いね。
原作は未読ですが、恐らく原作も相当なものでそれを中島監督流にするとこうなってしまうということなのだろうと推測してしまいます。
最初から最後までとにかく圧倒されます。その一言に尽きます。

今年は『第9地区』と『クロッシング』に★20を出していますが、これを観た後だとそれらを★1個下げて、これを満点にするかそれとも★1個これに加えるかするかしようかと思えるほど、今のところ今年観た映画の中では飛び抜けて素晴らしい。

中島哲也監督というと、『下妻物語』だの『嫌われ松子の一生』、『パコと魔法の絵本』などで知られるようにポップでそれでもって、どこかキッチュな色づけをしていく監督で有名。
『嫌われ松子の一生』なんて普通に描けばとことん暗いどうしようもないお話なのに、この監督だからこそその暗さを保ちつつもどこか明るく観れたところもあったりしたのですよね。

でも、今回は違う。
生徒たちの走る様子、イジメの一環でぶつける野球のボール、水たまりにジャンプし、飛び跳ねる水しぶき。これらをスローモーションで見せると1つタガをはずすと誰でも暴走しかけない世代の狂気をスタイリッシュながらも鮮明に印象付ける。
今までの作品には暗い内容も独自の演出で少しでも暗さを薄めさせているところもありましたが、今回はそんなことはない。そんな演出は施さない。独自の映像センスもこの作品の印象というものをより一層、ダークな印象付けるために役立てている方向に発揮している。

作品の初っ端から今にも暴雨が吹き荒れそうな曇り空を映し、ただ事ではないと誰もが素直に直感で受け入れてしまうことだろう、その空気の中で1年B組の3月終業式時のホームルームのシーンから物語りは始まる。

初っ端から30分程度一気に見せる森口先生(松たか子)のホームルーム。
この作品の怖いところは、まぁネタバレも何も宣伝にあるからここは言っても大丈夫だと思うが、森口先生の娘が生徒に殺されたことを作品のタイトルどおり告白するわけですが、その淡々としている様子がもの凄い背筋が凍るほど恐ろしいんですね。

普通は逆上したりするものだけれども、この作品の中で森口先生はほとんど感情を己の中に封じ込めて表に出さない。このホームルームでもそうでした。最初は学級崩壊のゆとり教室そのままのような風景が流れるんです。
先生が何か語っても聞く耳もたず先生がいても外に飛び出していく生徒もいれば、大声で談笑する女子生徒もいる。それでも、森口先生は彼らを一喝することもなく、ただ淡々とホームルームを進めていく。

最初は当たり障りの無いような話を続け、そしてこの話の核となる「このクラスに犯人がいます。」という告白から一気にざわめき立って、席に座り森口先生の話を聞きながらも携帯メールの情報交換で犯人探しを始める生徒たち。

で。驚いたことにこの手の話であれば、犯人は最後の方まで伏せておいてクライマックスで犯人の生徒が判り~という流れになると思うのですが、そうではないんですね。
犯人A、Bとしながらも森口先生は犯人を把握していて、それでもってこの告白の前にその2人にも真相を既に確認しているというところも驚きである。

この手の映画の斜め上を行く予想外の展開なんですね。

それだからこそ、事件の真相の殆どを踏まえているからこそ森口先生の”告白”はまるで刃のようにこのホームルームを刻みまくる。そして、森口先生が犯人であるA、Bの2人の生徒にある事を仕掛けて・・・という流れ。

余計な音楽も無くただただ淡々と語られる真実というものにどっと何かが憑依されたように重い気持ちを感じさせられる。

ここで森口先生の告白が終るとここでやっとタイトルが出る。そして、告白した者の名前も出る。
この後は犯人A、BやBの母親の告白や、森口先生の後任の若い天然青年教師だったりこの後も4、5人の”告白”という形式で物語は綴られていく。

このまま書くとそのA、Bについてもついつい触れてしまいそうにもなるので他の”告白”に関しては控えさせてもらいます。本当は、想うところをすっごい書きなぐりたいんだけどね~~~!

Aの残虐性、Bの変化。そしてAとCへ虐めが加速し、Bの家庭が・・・と色々言いたい。書き残したいが、この辺にしておきましょう!これから観る人も多いでしょうからね。

その犯人AとBと。そして、新任の青年教師にあることを密告したとされるCという生徒と。
この子供たちの背景を考えると些細な程度には同情できるところはある。

しかし、森口先生の娘を殺したという犯罪の事が事だけに、幾ら子供だからとなぁなぁで済ませてはならないよな言う想いも映画を観ている観客には少なからずあるでしょう。

それらの映画を観ている者の気持ちを考慮しつつも、そして劇中でも散々森口先生が少年法であなたたち(犯人の生徒)は無罪ですと言ってるようなある程度の線引きしているラインもキッチリ守りつつ、けして漫画の『怨み屋本舗』のように大げさすぎることもなくこの物語を綺麗に折りたたんでいきます。

これは「そう来るのか!」という驚きしかありませんでした。
詳しくは言えませんけどね。


上映時間は106分という時間ではありますが、本当に最初の最初から最後の最後まで少しも気持ちが休まることもなく、一気に集中して映画に向かい合わせてくれる作品だったと思います。


かなりお薦めの一作です。
かなり重い、暗い作品ではありますし、とても残酷な映画でもあります。
でも、是非是非みなさんにも一度は自分の目で観てほしい一作だと思います。



いい作品に出会いました。





P.S.
衝撃的な宣伝文句も功を奏して、どうやらこの作品が『仮面ライダー』や『SATC2』を抜いて興業トップで第一週を迎えたらしいです。

有名小説の映画化→ヒットで連続テレビドラマ化なんて流れが『嫌われ松子』だったり『チーム・バチスタ』だったりそこそこありますけれど、この作品が連続ドラマ化しても無駄に展開を引っ張りそうだったり、緊迫感がなかったり、たぶんスポンサーを考慮してヌルい演出になったりするのが目に見えているので止めてほしいですね。その手の流れは。

でも、近いうちテレビドラマ化しそうだよねぇ・・・。なんとなく。




・評価:★★★★★★★★★★
     ★★★★★★★★★★ (20)
・公式サイト




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この記事へのコメント

ぱたた
2010年07月01日 17:10
原作未読でまっさらで挑みましたが正解でした。
単なる犯人探しでは無く、時間軸や視点を変えて
ジェットコースターのように進む物語。
途中で森口先生が全く出て来ないのも効果的。
参りました、脱帽です。とにかく圧倒されました!
かつを
2010年07月02日 08:14
>ぱたたさん
おはようございます。
そうなんです、この手の作品だと犯人捜しに終始するかと思えばそうでもない。話の行くところ行くところで裏で既に何かが施されていたりして・・・。
1ヶ月連続トップ1を守り続けるのも頷ける傑作ですよね!

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