『冷たい熱帯魚』を観てきました。:今日も元気にカルト映画館~第114回

人生二度目の京成ローザへ!




画像

<2011.1.29 京成ローザ10 にて鑑賞。>
あらすじなどはシネマトゥディより
チェック:上映時間約4時間の『愛のむきだし』などで話題となった鬼才、園子温監督による人間の狂気と愛を描いた作品。実際の猟奇殺人事件に触発された園監督が、猟奇殺人事件に巻き込まれることになる男性が味わう深い心の闇に迫る。主演は、『掌の小説』など数々の邦画に出演しているベテランの吹越満。共演者も『嫌われ松子の一生』の黒沢あすかや『月と嘘と殺人』のでんでんら実力派ぞろい。第67回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門正式出品の問題作に、震撼(しんかん)させられる。

ストーリー:熱帯魚店を営んでいる社本(吹越満)と妻の関係はすでに冷え切っており、家庭は不協和音を奏でていた。ある日、彼は人当たりが良く面倒見のいい同業者の村田と知り合い、やがて親しく付き合うようになる。だが、実は村田こそが周りの人間の命を奪う連続殺人犯だと社本が気付いたときはすでに遅く、取り返しのつかない状況に陥っていた。



映画を見て一週間経つのに本当に最近の僕は怠惰です・・・。


さて、園監督の最新作いよいよ公開!!
ってことで、千葉市まで観に行ってきましたよ。公開日初日は全国で3館しか公開してないんですもん。
そのうち関西など順次公開になるそうですけど。
京成ローザ10って映画館なんですけれど、2年前にフクアリでのジェフリザーブスと鳥取の試合を観に行く前に寄って『まぼ台』を観てきた時以来ですけれど、そんなに遠くもないのでたまに行ってみるにはいい映画館かもしれないですねー。

さて、作品です。
メインは殺人からのバラバラ切り裂き事件ってところ。
最近そんな映画観たなーと思ったら『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』でしたね。
あっちはR-15。これはR-18ってのもエロいところよりもその血みどろな部分が引っかかったんでしょうかね。
でも、R-18でOKです。問題ないです。

冒頭に実話を基にしてると但し書きがあるのですが、埼玉愛犬家殺人事件(「事件史探究」HPより)がモデルになっているそうです。

映画の冒頭。
夫役の吹越満や娘の年齢の割にはやけに若い母親と思われる女性が電子レンジのご飯だの、冷凍食品を温めて食事として家族に出しているところから始まる。
実にヤッツケ仕事で淡々としていてその1シーンだけ抽出してみてもこの家族がおかしいというのが手にとってわかる。場を荒らさなくてもそのように伝わるのだから面白い。余計な説明などいらず。

後々わかるのだけれど、その若い母親は継母で娘は若い母を軽蔑し、そんな継母と結婚した父親も軽蔑していたのです。
その一家がお世話になることになるのが娘の万引き事件を警察沙汰にせず取り持ってくれた村田というおっさん。
その村田のおっさんは社本(吹越の役名です)の同業者で熱帯魚を扱うショップを経営していて反抗期の娘を預かりながらバイトさせると言いだし、万引き事件の恩もあるのでお任せすることになるのです。

ざっと流れを書いてみましたが、その娘を村田に預けるところでもう事件は始まっていたのですね。
後々その村田というおっさんがかなり危険な人物であることはわかってくるのだけれども、娘は村田の店で楽しく働いていて、かつ父親である社本を全く赦す気などないので家に帰ることはないわけで。
そうなってくるともう娘は実質”人質”状態。

村田の引き起こす事件の数々の片棒を担がされるようになるともう後は引き返せなくなってくるのがこの映画のコアの部分。

途中妄想で挿入されるカットがあるように社本はただただ継母と娘と家族3人で仲良く暮らしたいだけ。
その家族に優しさという餌を撒いて捕食するのが村田。
そんな村田の動きに関連して社本まで警察にマークされるようにもなってくる。

そこまで行くともう社本の悲劇はもう収まりどころがなくなってくるわけです。

さて、その社本の悲劇はどのような結末を迎えるのか?
家族3人はまた元に戻れるのか?

というお話なんですが・・・
これが、ひじょ~~~~~に面白い!!!!
久しぶりに映画を観るためだけに遠出をした甲斐があったってもんですよ。
R18(18禁)のレッテルに恥じないようなエロとグロの色付けも秀逸で、そのエロ・グロの世界と普通のおとなしいおっさんである気弱な社本とのコントラストがまた面白い。

その対照が強烈であればあるほど、後々に社本の変化もまた・・・と書きたいけれどここは抑えておきましょう!
あまり書きすぎると興味が削がれてしまいますしね。

園監督という男は実に面白い。
この監督が描く”家族”が本当に面白い。
『紀子の食卓』であったり、彼の作品にしては割とソフトな方でもある『ちゃんと伝える』であったり。表現の仕方はソフトだったりハードだったりするものの彼の作品を通じて家族というものを考えてみると共通しているものは悲哀だったりする。
どうも温もりを先に考えがちになりそうなところだけれど、この監督は悪いところに着目しての家族の揺らぎをこれでもかという程に見せつけてくる。

まあ、けしてこの映画を観た後に何かを深く考えさせる映画だったと思えるようなことは・・・・・・たぶん、無い(苦笑)
でも、そういうところで考えるってのではなく、感覚的なもので観ている最中は逃げ場のない社本の苦しみが、家族を背負ってるこその社本の苦しみだけは存分に伝わってくることは間違いないでしょう。
考える映画ってよりは何か苦いものを感じる映画っていうか・・・そんな感じでしょうかね。


文句なしの今年最初の★満点です。
グロが苦手な人は止めておいた方がいいでしょうけれど、まあ何かをじわじわと痛みつけるような”痛い”という意味のグロさは少ないと思う(←個人的な意見です。人によってはそんなことないという人もいると思う)。
だから、是非多くの人に観てほしいなと。
こういう家族の表現の方法もあるんだなと思って観てほしい作品ですね。


P.S.
逆噴射家族』とかそういう変な家族映画が私は好きかもしんない。





・評価:★★★★★★★★★★
     ★★★★★★★★★★(20) 
・公式サイト



・理解不能度:★★☆☆☆   
・キ●ガイ度 :★★★★☆  
・グロゴア度 :★★★★☆
・下品汚物度:★★★☆☆  
・おバカ様度 :★☆☆☆☆ 
・御エロ様度 :★★★☆☆



【本作品】2011.10.20追記






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この記事へのコメント

ぱたた
2011年02月07日 11:26
わぁ、満点ですね!といいますか本作品、R18の上、
題材もアレなのに何と朝から「王様のブランチ」で
異例の紹介。そんなに危険なんですか?
「紀子の食卓」「愛のむきだし」もただ唖然と
鑑賞した思い出があります。
かつを
2011年02月15日 11:14
ぱたたさん

いつもありがとうございます!
あと、別件でメール見るの遅れてすみません。
最近、どこかほっつき歩いていて夜寝る間際以外家にいること少ないんですよね。。。

落ち着いてDVDでも見ればいいのでしょうけれど。。
2011年03月01日 18:16
ここで満点なのみて
友達に「気になるよね~」って
見に行こう!っておもってたら
「 いとうあさこ 」さんがテレビで逝ったら
気になる検索ランキング1位でした
かつを
2011年03月02日 10:10
狂気系の映画が好きであれば是非!

ただグロいシーンも多いですけれど。
エロいシーンが少ないのは少しだけ残念です(苦笑)
カズ
2015年03月26日 18:35
実話の映画化というのがまた怖いですよね
開き直ったグロさですね(笑)
エロいのは少なかったですよね
かつを
2015年03月27日 08:33
ええ、バラバラ遺体がもう開き直ってましたちよね!最近の園監督はこのくらいぶっちゃけてもいいのにまだまだおとなしそうで(新宿スワンもR15ではなくPG12ですしね)・・・。
これからももっともっと開き直っていってほしいです。
カズ
2015年03月27日 18:29
最近では「地獄でなぜ悪い」などで園監督はじけてますが
えぐいのも突き抜けるとギャグになってしまいますよね(笑)
かつを
2015年03月29日 23:10
そういや「地獄~」はR15じゃないんですよね・・・あれで・・・

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