『悪の教典』:今日も元気にカルト映画館~第139回

これぞキチガイ!Magnificent!




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<2012.11.13 ワーナーマイカルシネマズ市川妙典 / 2012.11.24 TOHOシネマズ 流山おおたかの森(2回目) にて鑑賞。>
あらすじなどはシネマトゥデイより
チェック:「黒い家」「青の炎」などで知られる貴志祐介のベストセラー小説を実写化したサスペンス。生徒に慕われる高校教師でありながら、自身の目的のためなら殺人もいとわない狂気の男が繰り広げる凶行の数々を息詰まるタッチで描く。『海猿』シリーズの伊藤英明が、同シリーズとは打って変わって究極の悪人を怪演。『ヒミズ』でベネチア国際映画祭新人俳優賞を受賞した二階堂ふみと染谷将太、『バッテリー』の林遣都らが共演。『クローズZERO』シリーズの三池崇史がメガホンを取り、鮮烈なバイオレンス描写を随所でさく裂させている。

ストーリー:ハスミンというニックネームで呼ばれ、生徒たちから圧倒的な人気と支持を集める高校教師・蓮実聖司(伊藤英明)。生徒だけでなく、ほかの教師や保護者も一目を置く模範的な教師だったが、その正体は他人への共感や良心を持っていない反社会性人格障害者であった。学校と自身に降り掛かったトラブルや障害を取り除くために、平然と殺人を犯しては校内での地位を強固なものにしていく蓮実。しかし、ささいなミスから自身の凶行が知られそうになってしまう。それを隠そうと悩んだ彼が導き出した答えは、クラスの生徒全員を殺すことだった。




評価を先に書きます。
最近、連発しすぎて安売りしすぎかな?と自分でも思うのですが、自分の評価の基準「もう一度、二度その作品を観たいか?」というところに則って考えるとこれもまた★20の満点をつけざるを得ない。(ちなみに今年は『ヘッドハンター』、『アルゴ』、『KOTOKO』、『ヒューゴの不思議な発明』と本作)

それほど面白かったということです。

オープニングに中学時代のハスミンが両親を刺し殺そうとするような衝撃的なシーンがあり、そこでタイトルが出てきて物語は始まるのですが最初から緊張の糸をピンと張りつめちゃってくれます。
その後にハスミンが爽やか青年教師として高校で教壇に立つわけですが、オープニングのシーンがあるので和気藹々としているシーンでもどこかソワソワさせられるんですね。何か起こるんじゃないかと。

面白いのは好青年教師が終盤に校内で殺戮を繰り広げるようになる設定なのですが(まあネタバレもなにもここらへんは予告にありますしね)、序盤のハスミンの教師像が本当に生徒のことを思ってるような見せ方をしてくれるのです。
万引きを体育教師(山田孝之)に見つかり、倉庫でセクハラを受けてる女子生徒の悩みを告白されるのですが、その時の対処も実に見事。
万引きしたお店に自ら出向き謝罪させ、それを踏まえて淫行条例でお前OUTになるで?と体育教師にメールさせる。

こういうところだけみると、イケメンで爽やかで生徒に親しまれて金八先生の後を継げるくらいの人物になれそうな男なんですけれどね。

いやこの物語が面白いのはこういう前フリがあるからでしょう。

好青年教師に見えるからこそ、女生徒の1人はその恋心を止められず積極的にハスミンにキスをし迫るし、何かあれば心を開いてハスミンを頼ってくる。裏サイトで放火に加担したという噂を流され荒ぶる男子生徒がいれば「お前だってこっそり飲んでるんだろ?今夜飲みに行くか!」と誘ったり。
男の私でも惚れそうなくらいいい教師像なんですよね、ハスミン。


なのに段々とハスミンの本性が釣井先生という根暗な教師に疑いをかけられたところから、その好青年の仮面がボロボロと崩壊していく。
ボロボロと外壁が崩れていけばいくほど、ハスミンはその対象人物を殺めていく。1人、また1人・・・。

そして、また1人殺めたところである想定外のアクシデントが起こり、後に引けなくなるとそこから開き直ったかのように(それでもまだ犯人像を自分から逸らす計算も立てていたんですけどね)学校内で生徒たちの大量殺戮を開始していく・・・というお話です。

ええ、キチガイです。完全にキチガイです。
それだけに先ほど書いた好青年の前フリが凄く効いて来るわけですよ。
学校内に殺人鬼が乱入したと聞いて逃げまくる生徒たち。その生徒たちの前にハスミンが現れた時の生徒たちの安堵からの絶望はもう想像を絶するものがありますね。


映画の予告でもわかるように特筆すべきなのはその殺戮方法。
色々と殺戮方法を常に考案していて、物干し竹掛けに高圧電流を仕込んでカラスを焼き殺すことを楽しんだりといつもそんなことばかり考えてるハスミンだけど、クライマックスでは淡々とライフルを片手に撃ちまくるだけなんです。

そのクライマックスの学校のシーンでは追い詰めて屈辱を味あわせて殺すとか、それまでに1人1人殺めてきたように殺し方を考えてそれを実践しながら殺していくとかそういう手法はあまり取らない。
そう、だから引き金になる事柄ってものはあるにせよ、「ああバレたから殺せばいっか」くらいのライトな感覚で殺していく。

まるで『時計じかけのオレンジ』で”雨に唄えば”を唄いながら老人を蹴り続けるようなバイオレンスを愉しんでしまってるんですね。
窓から箱ノリになってライフルぶっ放す鬼畜っぷりは本当にイカレてます(笑)


何かを「訴える」「考えさせられる」とかそんな奇麗事を並べる作品じゃない。

中には「こんな酷い映画のどこが面白いの?」「こんなの面白いって言う方も頭おかしい」って言う人もいるかもしれない。
でも、人って非日常的なものを刺激として求めてるようなところがあるんですよ。
だから、例えばニコニコ生放送などでもキチガイ系の配信者ってのは常にプレミアム満員になりますし、みんな神回!神回!と持て囃します。そういう者を叩くことで正義を振りかざす傍らで自分を狂気に染める人もいる。
煽る側も叩く側もそういうもの全て含めて「刺激」なのです。
もちろん人間みんなそういうものがあるとは言わないです。清く正しい人間もいることでしょう。
でも、人間にはそういうものに関わりたくはないけれど覗き見たいという願望を持つ人は結構いるはずなんですね。
これは断言してもいいと思います。

普通にありえない光景。
そういうものをビジュアルとして見せてくれるものが映画なのです。エンターテイメントなのだと思います。
私の愛する作品に『高校大パニック』という映画があります。あれは生徒がライフル銃を校内でぶっ放すお話でしたが、本作はパーフェクトな好青年教師がライフルをぶっ放す側に回るということでより一層鬼畜感が増している。怖いですよ。リアルでこんな場面に遭遇したくないですよ、もちろん。間違いなくそんな非日常がスクリーンの向こうには存在するんですね。



話題づくりかわからないけど、大島優子が本作を見て怒りで取り乱したという。(まあ『闇金ウシジマくん』に出演するような人がよく言うよ・・・とは思いますが・・・)

本作を見てこんな作品認めないって人もいるかと思う。
もちろん全員が全員賛同するような作品じゃないと思ってる。

口コミでこの残虐性が話題になり、モンスターヒットアニメ映画の『エヴァQ』に告ぐ2位をキープ、興行成績も良いと言う。2年前にヒットした『告白』。
命令されればキチガイ行為も迷わず実行する昨年の今頃大ヒットしたTVドラマ『家政婦のミタ』

誰もが認めない突拍子もない行動を起こすキチガイ作品は、もしかしたら今のような時代だからこそ求められているのかもしれませんね。


一部だけが持ち上げる作品を集めたカルトコーナーでこれを紹介していますが、そういうことを想うと意外と誰もが心の中にハスミンを抱えているのかも・・・・?しれませんね(笑)




追記:
今年は『エヴァQ』の他に本作も劇場で2回目の鑑賞をしました。
2回目見てももちろん楽しめましたし、久しぶりに映画のパンフレットも買いました。
友達は三池監督嫌いな人もいるんですが、『クローズZERO』、『ヤッターマン』、『ビジターQ』などやはりこの監督の作品は大好きなものが多いですね。私には。
ただ、この監督たまにもういかにも商業的なものを撮ったりするところが難点か。『逆転裁判』とかみたいな・・・。




・評価:★★★★★★★★★★
     ★★★★★★★★★★ (20)
公式サイト


・暴力殴打度:★★★★☆ 
・理解不能度:★☆☆☆☆   
・キ●ガイ度 :★★★★★  
・グロゴア度 :★★★☆☆
・下品汚物度:★★★☆☆  
・おバカ様度 :★★★☆☆ 
・御エロ様度 :★☆☆☆☆




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