今日も元気にカルト映画館~第140回『愛のコリーダ』

確かに問題作





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あらすじなどはcinema topic onlineより
【解説】
1976年、カンヌ国際映画祭。その監督週間のオープニングに上映された大島渚監督の「愛のコリーダ」は凄まじい反響と絶賛の拍手にむかえられた。試写会場は連日超満員、少なくとも11回という異例の回数を重ね、カンヌ映画祭最高の人気と評判を呼んだのだった。

 日本に軍国主義の黒い影が重くのしかかってきた1936年、世間の目を恐れず、既成の道徳に背を向けて、ひたすら2人だけの世界に没頭していった定と吉蔵…。映画は、日本の恋愛史において最もセンセーショナルな出来事といわれた、“安部定事件"を題材に、男と女の究極の愛の姿を、鮮烈な色彩と匂いたつような官能で激しくも哀しく描いた衝撃の愛の傑作である。

 当時、既にヨーロッパでその才能を認められつつあった大島渚監督に、フランスのプロデューサー・アナトール・ドーマン率いるアルゴス・フィルムが製作投資し、誕生した二十世紀の映画史に誇るべき名作『愛のコリーダ』。フランスでは『L'Empire des Sens(官能の帝国)』という作品タイトルにてひとつの『文化的な事件』として受け入れられ大ヒット、また、ブラジルでは1年以上の大ロングランヒットの末、当時の興行記録を塗りかえるなど、マスコミのみならず一般観客にも熱狂的に受け入れられた。

 1976年の日本初公開当時は、製作サイドとしては不本意な大幅修正※1が加えられたプリントで上映された。この度の上映にあたっては、オリジナル・プリントをフランスから取寄せ、2000年現在において監督の製作意図に限りなく近い本編ノーカット※2版で、公開できることとなった。

(※1初公開時→合計約2分間の本編プリントのカット、及び、画面のマスキング含む、多くのオプティカル処理あり。)
(※2今回→本編プリント自体のカットなし、但し、税関・映倫の精査を受けたボカシあり。)

 主演の安部定には映画初出演にして大役を射止めた松田英子、定の情熱のすべてを身体いっぱいに受けとめる吉蔵には藤竜也。日本側の製作には若松孝二、撮影に、伊東英男、照明に、岡本健一、美術に、戸田重昌、衣装に、加藤昌廣、編集に、浦岡敬一、そして助監督には、崔洋一。1975年の末、京都の大映スタジオで撮影、未現像のフィルムをフランスに送り、大島渚監督自身がフランスで編集を行い、日本とフランスが生んだ傑作『愛のコリーダ』が完成したのである。

【ストーリー】
昭和11年2月1日、東京中野の料亭吉田屋に安部定という女が住み込み女中としてやってきた。吉田屋の主人、吉蔵は40すぎの男盛り、「苦味ばしった」それでいて優しい男。定は一目惚れしてしまう。一方、吉蔵も、廊下を雑巾がけする後姿など、水商売の歳月を重ねてきた定の漂う色香に惹きつけられる。
 ある日、離れ座敷へ定がお銚子を持ってゆくと、吉蔵が芸者を相手に清元を唄っていた。誘うような男の歌声に定はすっかり聞きほれてしまい、芸者が用足しに立った短い間に吉蔵に体をゆるしてしまう。ほんの遊びにすぎなかった始まりから、定は吉蔵にすっかり夢中になってしまう。吉蔵もそんな走を可愛く思い、2人は夜更けの応接問や朝早くの離れ座敷などで情事を重ねるようになる。
 やがて、2人の仲が吉蔵の妻トクに知られてしまい、吉蔵と定はしめしあわせて駆け落ちする。待合宿に落ちついた2人は、駆け落ちを祝言にみたて芸者をあげて騒いだり、楽しみの限りをつくす。はじめは1日か2日のつもりで家を出てきた吉蔵もいつしか定の情熱にひきずられ、ずるずると日を重ねてゆく。幼児のように天真燗漫に遊びたわむれる定。その定の要求に何ひとっさからわず喜々としてこたえてやる吉蔵。定は生まれてはじめてつかんだ幸せを永遠に離したくないと思うのだった。
 しかしお金がなくなってしまう。吉蔵を家に帰したくない定は、吉蔵に自分の赤い長橋衿を着せて部屋に閉じこめ、自分は名古屋のパトロンのもとへ金策に行くのだった。
 離れている時間の切なさ。再会した2人は更に待合宿を転々、いっそうこまやかな愛欲の世界に入ってゆくのだった。2人が駆けおちしてから、いつのまにか2週間が経ってしまった。吉蔵は「2人が末長く楽しむために」どうしても一度家へ帰り、さまざまなことを取りつくろって来なければならないと言うのだった。長いいさかいの末、定はようやく承諾する。
 互いに思いをつのらせて二人が再び会ったのは、一旦別れてから5日目、5月11日だった。青葉にも風にもそむいて2人は待合の一室に閉じこもったまま果てしない愛欲の生活にのめりこんでゆく。定はたわむれに出刃包丁をふりかざし、「今度別れようとしたら殺してやる!」と叫ぶのだった。吉蔵もふと、ほんとうに殺されるのではないか、ほんとうに殺されでもいいと思うのだった。
 次第に、2人の愛欲には死の影がしのびこんでくる。吉蔵は疲れはじめ、2人の間にもの悲しさが流れはじめる。そして2人はいっそう激しくたわむれるのだった…。



いつも引用するデータベースからの引用じゃないのでちょっと長くなってしまったか・・・。
前々から興味ある作品で今回やっと見てみましたが・・・これは噂に違わぬ凄さ。
製作が先日お亡くなりになった若松孝二でしょ・・・。若松さんと言えば、『水のないプール』が結構衝撃的でしたね。
一歩ズレるともう完全にアダルトビデオですからね。あの作品。(『水のないプール』後ほどこのコーナーで紹介したいと思います)
そこに大島渚監督が組んでの本作。

まあ、エロくないわけはないでしょう!!!

話はあの有名な”安部定”を扱った映画であります。そう、あの愛する人を殺して彼のチンコを切って持ち歩いていた猟奇的な安部定さんです。

その定を演じた女優は松田英子という方なのですが、まあ正直なところちょいブスかもしれません。でも、藤竜也演じる吉蔵を情熱的に、かつ執着的に愛する姿などはあまり綺麗過ぎていても嘘になっていたかもしれないので、そう思うとこの役はハマリ役だったと言ってもよいのではないでしょうか。

この作品の監督は大島渚。
以前はテレビに出ずっぱりでしたが、体調を悪くしてからは年齢のこともあり今ではすっかりテレビでは見かけなくなり、映画も1999年の『御法度』を最後に作っていない。
その大島渚はテレビでコメンテーターとして出演する時も、そして作ってきた映画を見てもドラスティックな性格そのままに発言に、映画にそれを生き写しで見せてきた。


よく映画として「卑怯」とか呼ばれる手法としては、動物だったり、子供を使って明らかに泣かせにでたり。そして、とことんグロくして恐怖心煽ったり。そしてそして、「エロ」に徹底して話題を呼んだり。

でも、私は前々から当ブログでも言い続けてるのですがその卑怯な手法にでてもその手法に煽られてガッシリ構えて鑑賞してみて、作り手側の意図に沿って反応してしまったら素直に認めようや、と。

大島渚はこの作品でとことん「お前が見たいのはこういうものだろ?だったら俺が見せてやるよ!!」と言わんばかりの過激な演出満載です。
この作品に不満を持つ人はその狙いすぎてるところもあるのかもしれませんが、狙いすぎて定の人物像に迫るところが無いということも挙げる。定の境遇などは描かれない。だから定の心境というものを汲み取る材料が少なすぎてただその”行為”に注目が集まってしまうんじゃないだろうかと。

現実からの乖離。そして互いを貪りあう定と吉蔵。行き着く先に見えるものは崩壊。
濃密で耽美な狭い空間でただただ求め合う2人。
この作品は視覚的にも美しく、部屋の灯りは煌々と2人の汗を照らし続ける。
耽美な映像を裏返すような吉蔵も定によりこの宿屋のこの部屋には匂い・・・いや臭いを映像からも放ってくれる。

いろいろなところで「濃密」という言葉は用いられますが、この映画こそその密度の濃い性や生を浮き彫りにさせてくれる作品ってものはそんなに無いのではないでしょうか。
破滅に向かう2人には吉蔵の笑い声の影にもなんとも言えない虚しさだけを感じていました。


結末は冒頭にも書きましたし、あまりにも有名な事件だったので改めて書くこともないかと思い省略しますが、この作品は確かにセックスシーンが多い。
そのためポルノ映画として日本では扱われたと聞きます。

でも、そのようにレッテルを貼られたら人ってのは不思議なものでより一層興味を持たらされ、それがカルト的な人気が出る一方で、よし一層批判的な意見も同時に集められたそうです・・・「映画とは~」みたいなね。


そういう議論が巻き起こることこそ、大島渚の「見たいものを見せてやる」の狙い通りできっと笑いが止まらなかったんじゃないかなと勝手に思ってます(笑)


ああそうそう、個人的には内容がとことんエロくても崩壊へ向かう終末感みたいなものがとても大好きで、やっぱり「映画」なんだろうなとは思いますよ。
もちろん、エロくなければ意味が無い!と言う観点のもとで作られた作品だとは思いますが、ただエロければいい!ってだけに終わってないと思いますしね。

そういう意味では一歩ズレるとAV作品とも言われかねない若松監督の作品もやっぱり近いものがあるような気がしますね。
(若松監督の作品についてはまた後日・・・)


ここ数年情報が入ってきませんが大島渚監督、まだご健在とお聞きします。
もう一度、テレビなどで誰かを叱り飛ばしてる姿を見てみたいですね。




・暴力殴打度:★★★☆☆
・芸術ぽい度:★☆☆☆☆
・理解不能度:★☆☆☆☆
・キ●ガイ度: ★★★★☆  
・グロゴア度: ★★★☆☆
・下品汚物度:★★★☆☆  
・おバカ様度: ★☆☆☆☆ 
・御エロ様度: ★★★★★







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